第四回湘南邸宅文化ネットワーク協議会 シンポジウムin大磯
「湘南の邸宅は不良資産か宝物か?」
■
■場所:聖ステパノ学園 海の見えるホール
邸宅保存手法Q&Aでの主な意見の整理
■なぜ建物、邸宅、壊されるのか?
l
最大の病巣は、諸外国に比して高めに設定された容積率。
Ø
個人所有の場合
²
個人の土地。自分で住み続けることは可能だが、固定資産税・相続税かかる。今持っている建物を壊して売却したり建替えたりした方が得する、という計算が入る。
²
所有者に残したいという意思があれば、保全できる可能性はある。
Ø
企業所有の場合
²
株式会社・・・情報開示が求められる。
²
株主から容積率を使い切って収益を上げないと、企業の経済活動にとっては、資産を遊ばせているという批判。
l
所有する会社が傾き始めると、株主からの圧力がますますかかる。
l
邸宅は不良資産??
l
所有者への負担。
Ø
維持管理に手間、お金掛かる(敷地・建物大きい、年代が経っている)
Ø
固定資産税(企業も個人も)
Ø
相続税
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行政が買う?行政にとっても不良資産を背負い込むことに。
Ø
買収のための費用。
Ø
行政が買うと、固定資産税収入がなくなる。税収なくなる。
Ø
管理費もお金かかる。
Ø
⇒公共的な財政を圧迫する。
l
建物を残したいが、信用できる人(次のユーザー、技術者など)が見つからない。
l
用途転用をしながら保全活用することは難しい。
Ø
邸宅の資産は、用途地域でいうと住宅系の第一種低層住居専用地域に建っている。住宅系の用途で使い続けるなら問題ないが、住宅以外に使おうとすると、公的な制約を受けてしまう。
l
建築基準法の問題
Ø
古い建物は現行の法律(耐震性など)では既存不適格。改修等大きく手を加えるとき、現在の法律に合うようにしないといけない。大きな投資が必要。だったら取り壊した方が・・・という話になる。
l
所有者の対面の問題もある。人に貸すのをためらう。
■解決策として考えられること
l
@文化財制度活用やJNTに寄贈することによる相続税等の税制優遇措置
Ø ただし、JNTに寄贈すると、住み続けることが出来ない。
l
A市町村ができること
Ø
容積率を低く抑える
²
容積率の変更、高度地区の設定
²
町民による「地区計画」
Ø
固定資産税(地方税)は市町村が決める
l
B相談システムの必要性
Ø
相談システムには、不動産業者、技術者、信頼できる体制が必要。
Ø
問題が起こる前から事業計画を立案しておく必要がある。
Ø
近代和風建築に住みたいというお客が多い。
l
C使い手を捜す猶予期間を確保する。
Ø
いったん買い取って、使い手を捜すという方法もある。一旦ホールドできる期間があることは大きい。
Ø
行政もその期間の支援ができればよい。
²
財政負担が厳しいといっても、いずれ見返りがあるものなら、一時的に負担しても良いということになる。
Ø
建物は雨が怖い。応急的な処置ができれば保存できる。ブルーシートをかけるだけでも有効。
l
Dまちの職人を大事にしていく。
Ø
昔は建物を守るため、出入りの大工がいた。「地域が棟梁を失った。」
Ø
建築に限らず、町に職人がいなくなることは大きい。地域の魅力を維持して行くシステムが崩れて行く。
l
E持続可能に活用して行く仕組みを考えることで、邸宅を保全し活用する。
l
F+R方式によって、不動産の活用手段を具体的に計画・設計し、市場に情報提供する。また、一方で同時に建物解体を対象にした市場にもこれまで同様情報を提供する。選択肢を増やしつつ、売主の負担を軽減する。
Ø
事業採算性が地主、ユーザーの双方に求められる。
²
壊す⇒解体費用掛かる。デメリットがなければ残したいという所有者。
²
採算性のある有効な提案をしていく。古いものを残すことが利益を生むことを提案。
²
地主・ユーザーにとって適正な価格で取引できることが重要。
²
仲介料3%でも、十分採算性のある提案ができる。
Ø
B・Cクラスの建物の保全活用。
²
旧三井守之助別荘ほどのパワーがない建物、B・Cクラスの建物の集積の中に旧三井守之助別荘があることで、素晴らしい景観になる。
²
行政による買取りや文化財指定ができなくとも、京町家ネットのように、地主とユーザーをマッチングする相談システムによって保全できる。
²
不動産情報の検索サイトがあるが、古い建物は、「土地・更地渡し条件」として不動産業者専用の統合ウェブサイトに掲載されるので、検索に引っかからない。まずは歴史的建造物の物件を見つけられる仕組みが必要。
議事詳細
第一部
l
池田(財団法人日本ナショナルトラスト、以下JNT)
Ø
第四回湘南邸宅文化ネットワーク協議会 シンポジウムin大磯を開催いたします。
Ø
旧モーガン邸を守る会 佐藤理紗さん、ご挨拶をお願いいたします。
l
佐藤(旧モーガン邸を守る会)
Ø
雪の中お越しくださいまして、ありがとうございます。
Ø
大磯町三澤町長、聖ステパノ学園の小川理事長にもおいでいただいている。
Ø
午前中は素晴らしい見学会に参加させていただいた。
Ø
シンポジウムも素晴らしい会場。ありがとうございます。
Ø
モーガン邸も取得。これから修復、活用という課題。
Ø
不良資産⇒宝物になった例。
Ø
今日で四回目のシンポジウム。ネットワークがますます広がることを期待しております。
l
池田(JNT)
Ø
開催地挨拶。大磯町三澤町長お願いいたします。
l
三澤町長
Ø
今日は雪。皆様は幸運な方々。大磯のこういう風景、なかなか眼にできない。
Ø
この会場からは、相模湾、伊豆渡島、三浦半島、伊豆半島が望める。
Ø
機会あれば町民の方々に、このような景観をお楽しみいただきたいと考えている。
Ø
愛地球博での「サツキメイの家」など、昭和時代の家が見直されてきた。
Ø
大磯は、明治の趣が色濃く残っている。
Ø
明治の建物、保全活用が難しいという現実。
Ø
旧吉田茂邸の活用、多くの団体のみなさまの協力を得て、大きな運動のうねりを作り出そうとしている。
Ø
大磯町、お金ない。子育て支援という意味でも、この自然環境を大切にしていきたい。
Ø
貴重な財産、保全活用して参りたい。
(三澤町長会場より退出)
l
池田(JNT)
Ø
続きまして、海の見えるホールを提供いただいた、聖ステパノ学園小川理事長よりご挨拶お願いいたします。
l
小川理事長
Ø
シンポジウム、会場を利用いただきありがとうございます。
Ø
大磯駅、ホームから立て看板・広告見えない。
Ø
庭先につつじ、アジサイ、緑が美しい落ち着いた雰囲気
Ø
駅も平屋、田園風の建物。
Ø
駅前には派手な看板もない。ネオンもない。
Ø
店も少ない。夜間開いているお店も少ない。
Ø
駅に降り立ってほっとして家に帰れる。
Ø
第二次世界大戦後、連合国の占領かから半世紀、様子が変わっていない。
Ø
言い換えると、駅前の開発が進んでいない。
Ø
守ってきたおかげ。
Ø
一万坪あるこの敷地。
Ø
幼稚園、児童養護施設、・・・
²
商業地、住宅地として利用できないようになっている。
Ø
地域の発展や活性化がはかどらない大きな原因?
Ø
大磯駅前の大きな財産になっているという意見もいただいている。
Ø
21世紀前半の半世紀に、新しい風をさそうため、新しい窓を開けたい。
Ø
建替えることに。
Ø
大磯地域の自然を生かした、コンサートホールを建設し、町民の皆様にご利用いただきたい。
Ø
自己資金の中で、ご支援をいただきながら、みなさんと改善しながら使って生きたい。
Ø
町民の皆様のお役に立ちたい。
l
池田(JNT)
Ø
ありがとうございました
Ø
シンポジウムの開催に先立ちまして、お願いがございます。
²
敷地内は禁煙
²
ホール内は飲食禁止
Ø
全体の司会進行は、(財)日本ナショナルトラストの池田です。
Ø
まず、旧モーガン邸を守る会の桑山さんより基調報告をお願いいたします。
l
桑山(旧モーガン邸を守る会)
Ø
世話人をしている桑山です。基調報告させていただきます。
Ø
モーガン邸を選んでいただきありがとうございます。
Ø
成功事例として?
Ø
多くの方に協力していただいたおかげ。
Ø
運が良かった。
Ø
今日見ていただく画像みながら、運が良かったきっかけを見つけていただきたい。
Ø
旧モーガン邸
²
JHモーガン、米国人建築家の自邸
²
旧丸ビルの建設のため来日。
²
横浜市の山手地区等に彼が設計した建物が残っている。
²
邸園文化調査団の菅孝能さんが、山手の歴史的建造物の改修をしているときに、モーガンの自邸が藤沢にあること知った。
Ø
創建当時、モーガン住んでいたが、既にモーガン邸ないのでは??
Ø
発見。
Ø
そのときには、36戸の分譲になるという看板出ていたが、創建時の様子残っていた。
²
⇒実測調査
Ø
一階平面図
²
概観は洋風
²
中は和洋折衷
²
派手ではないが、心引き付けられる、暖かさを感じる建物。
Ø
内部
²
昭和6年の洗面器、照明器具残っている。
²
和風と洋風。
²
今でも使いやすい。
Ø
1999年、草刈会
²
保存運動してはだめというお断りあった。
²
建物があるんだったら、一人でも多くの人に見てもらいたい。
²
Y氏の奥様が所有。
²
負債多かった。
²
整理回収機構の手に。不良資産。
²
できることがある。
l
半年間誰も入ってない
l
草もぼうぼう。
l
火事になる!という文句もYさんに。
²
私たちやるから、入らせてください。Y産業に押しかけた。
²
1999年12月草刈会、神奈川新聞等が大きく取り上げてくれた。
²
110人参加。
²
月一会草刈を開催。
²
皆でやると楽しい。
Ø
たけのこ堀
Ø
写生会
Ø
親子ペーパークラフト教室
Ø
ミニコンサート年二回
²
モーガン邸に入れない時期は、近くの集会所でやった。
Ø
庭園コンサート
²
ライアン、竪琴、やさしい音
²
オルクローレンのコンサート
²
トーンチャイム、ハンドベル
²
チャリティバザー ⇒収益は活動資金に。
Ø
モーガン邸のすべて展
Ø
モーガン邸写真展
²
写真撮影会、200人参加
²
マスコミが取材してくれた成果。マスコミの力は大きい。
Ø
藤沢宿とモーガン邸ツアー
Ø
かまくらまち歩き
Ø
モーガン邸ゆかりの地ツアー
Ø
モーガン邸募金コンサート
Ø
学術的な裏づけも必要⇒シンポジウム開催
Ø
収益、23万⇒20万を日本ナショトラの募金に寄付
Ø
旧近藤邸、グリーンハウス、旧住友家俣野別邸が近くにある。
Ø
連携して生きたい。
Ø
グリーンハウスでもワークショップしている。
Ø
大磯、宝の山
Ø
手をつなぎ、宝の山がなくならないようにして欲しい。
Ø
モーガン邸、保存までに6年掛かった。
Ø
世話人全員女性、5人。
²
女性、なにかやってみようとおもうとすぐやってしまう
l
大阪の整理回収機構にもいった。Y産業にも行った。
²
あきらめない
Ø
参考になったか分からないが、心に留めておいていただければと思います。
l
米山事務局長(JNT)
Ø
こんにちは。
Ø
桑山さんから旧モーガン邸の保存を任された。
Ø
6年間の保存活動。
Ø
H13年、4年前、JNT事務所にきた。
Ø
僕らも困るが…
Ø
結果的に残ったという話ができてよかった。
Ø
比較的短期間に実現できたのでは?
Ø
これから修理に入っていくが、一つの楽しみ。
Ø
JNT、なぜできたか?免税措置もっているから。
²
国土交通省の財団法人
²
寄付していただいたら免税措置
²
確定申告時に申告すれば免税に
²
相続税も免税
²
社会的な信頼があって仕事ができる
Ø
藤沢市役所がきちっとついていてくれた。
Ø
日本中で活動、何ができるかというと難しい。
Ø
英国には、ナショナルトラスト法(1907年制定)がある
²
日本には法律はない。
Ø
藤沢市役所、市民団体、JNT、有識者が入った。力あわせてやること、役割分担。だからうまくいった
Ø
なかなか募金は集まらなかった
Ø
平成13年9月藤沢市、移築するお金をJNTに出せないかと打診に来た。
Ø
移築費は出す事はできない。現地保存をするべきだと伝えた。
Ø
藤沢市もつらい立場
²
まもってくれという市民の意見
²
議会でも陳情を先送りしていた
²
了承にしないと何とか
Ø
JNTが買ってくれるか、募金活動を行えば、藤沢市も協力できるのでは。
Ø
現地で残すことで議会通った。
Ø
行政、一人ではできない。動くために人が必要
Ø
旧モーガン邸守る会の継続的な活動が大きな糧に
Ø
横井さんの物件、JNTも震え上がった。
Ø
水沼叔子先生は、残る建物、運が良い建物がある!とおっしゃっている。
Ø
支えてくれた部分が大きい。
Ø
募金くれたら、免税、経団連いって・・・割り当てを持って回った。万博、地震、津波・・・なかなか集まらなかった。
Ø
助けてくれたのは藤沢市。
Ø
整理回収機構
²
「ビジネスということ忘れないでくれ」
²
社会的な責任を痛感。
Ø
藤沢市、競売に掛かる寸前。
Ø
藤沢市が一生懸命。
Ø
無力を感じた。
Ø
振り返ると、旧モーガン邸守る会、藤沢市、JNTの役割があった。
Ø
結論、藤沢市、17000万円出してくれた。
Ø
守れてよかった。
Ø
現況、市が4分の3の土地、JNTは4分の1の土地と建物。
Ø
管理はJNTでやってくれ。
Ø
小田原政策総合研究所
²
JNTが取得をして市民が管理する枠組みを研究していた。
Ø
ボランティア活動を基盤に、JNTも活用を考えて生きたい
Ø
保護管理委員会を作って生きたい
Ø
今後もご支援いただきながら、力になれるようにがんばりたい
Ø
JNTの活動紹介
²
旧モーガン邸のスライド
l
雨漏りがひどい、
²
白川郷 二つ募金で買い取った
l
113の茅葺
²
安田邸
l
相続税を免税にして譲渡していただいた
l
大正時代の建物
l
東京都の名勝、6年かけて修理
l
残月の間
l
安田家の雛人形、五月人後湯
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毎年6千万、今まで2億
l
東京都の助成金と募金から
l
合計2億6千万のPJ
l
お花見にご案内
l
修理のご指導、千葉大大河先生のお話
²
駒井家住宅
l
京都市指定文化財
l
譲渡所得税を免税
l
じゅうたん張り、全部取った
l
1千万かけて修理
l
遺伝学の権威、日本のダーウィン
l
記念館にしてほしいという遺族からのお願い
l
塩焼き瓦
l
ピアノ
l
コンサートもやっている
l
見学会
l
温室
Ø
税制上の優遇措置
Ø
シビックトラスト、歴史を生かしたまちづくり
Ø
今後ともご支援お願いします。
l
池田(JNT)
Ø
続いて、旧三井守之助別荘の活動に関わっている邸園文化調査団の松本高広棟梁、お願いします。
l
松本高広棟梁
Ø
大工職人
Ø
先日、解体した旧三井守之助別荘の部材の確認にいった
Ø
確認したところ、きちんと保存されていた。
Ø
(パワーポイント)
Ø
改めて見て、いいもんだなと思いました。
l
高橋(社団法人かながわ住まい・まちづくり協会)
Ø
本日天気がよければ、部材をここにもって来れたら良かったなと思っています。
l
松本高広
Ø
四十年、文化財の大工をしている。
Ø
復元したい、再生したいという建築に携わってきたが、再生できなかった試しがない。
Ø
技術、エネルギーを感じる建物。かならず復元されるだろう。
Ø
旧モーガン邸では五年でできた、どうってことない。
Ø
知っている限りで一番時間が掛かったケースでは、30年掛かったものがある。
Ø
横浜、三系園の三重塔、京都の燈明寺にあったもの。原三渓さんがもってきた。
Ø
同じ寺に合った本堂を解体して、昭和50年になって、ごく最近甦った。
Ø
ぼろぼろだったが、それだけの力を持っている建物。
Ø
なんらかの形で絶対よみがえる。皆さんも信じて欲しい。
Ø
文化財保存技術協会
²
近年になって協会の認定を受けた大工棟梁によって日本伝統技術保存会をつくった。
²
安田邸の修繕にも参加。
Ø
どんな努力、協力もしたい。
Ø
技術を継承したい。
Ø
皆さんは大磯の遺産を継承して行く義務があるのではないか?
l
高橋(社団法人かながわ住まい・まちづくり協会)
Ø
旧三井守之助別荘の保存活動に参加されている、「大磯遺産」保存会の武田さんにもコメントをお願いいたします。
l
武田久美子(「大磯遺産」保存会)
Ø
旧三井守之助別荘の保存活動の映像、解体の映像、旧モーガン邸の活動、米山さんの活動を見ていて、胸がいっぱいになってしまった。
Ø
旧三井守之助別荘の保存活動に参加して、多くのことを学んだ。
Ø
今の映像みて、三澤町長に見ていただきたかった、聞いていただきたかった。
Ø
町民の方に見て欲しい。
Ø
いくら声を大にしても、大磯町、町民が意識を持たないと、大きな運動にならない。
Ø
旧モーガン邸の活動、何もないところから努力してきた。
Ø
残念な結果にはなったが、保存活動の最中、情熱だけでできるのか?といわれたことがある。
Ø
情熱がなければ、保存という困難なことはできない。情熱こそが、町にも町民にも大事。
Ø
一人一人が、誰かがやってくれるという意識では、保存はできない
Ø
町も町民も、知恵、情熱、意識がエネルギーになって、岩が動き始めるのではないか?旧モーガン邸の活動を見てそう思った。
Ø
情熱、一人一人の意識が結集してエネルギーになって、周りの人も巻き込んでいく。
Ø
運も努力でつかめるもの。
Ø
大磯にいて感じるのは、町も町民も情熱がないことではないか?
Ø
こういう取組みを多くの方に知っていただいて、活動を広げて行けたらと思います。
Ø
先日部材の確認に参加。部材を見たとき、凛とした存在感を感じた。
Ø
一度再建してもらえるという話が立ち消えになってしまったとき、がっかりして、気持ちを封印していたが、旧三井守之助別荘の部材の存在が、封印を説いてくれた。
Ø
絶対に復元したいと思っている。
l
高橋(社団法人かながわ住まい・まちづくり協会)
Ø
ありがとうございました。
l
池田(JNT)
Ø
これにて前半部分の基調報告は終わりにさせていただきます。
Ø
10分休憩後、公開質問会に移させていただきたいと思います。
(休憩)
第二部 公開質問会
l
池田(JNT)
Ø
邸宅の保存手法Q&A。進行はNPO法人小田原まちづくり応援団の内藤英治さんにお願いします。
l
内藤英治
Ø
コーディネーターを勤めます。1時間半くらい、邸宅の保存手法Q&Aについて議論したい。
Ø
コメンテーター、優秀な方4名
²
後藤治先生
l
工学院大学建築都市デザイン学科教授
l
文化庁に勤めていた。
l
文化財行政全体の話をしていただきたい。
²
菅孝能
l
且R手総合計画研究所 代表取締役
l
邸園文化調査団 会長
l
実務面でたくさんの保存活動を実施。
l
旧モーガン邸、旧三井守之助別荘の保存活動にも参加。
l
都市計画、建築関係の質問にお答えいただきたい。
²
齊藤英典
l
アースデザイン 代表取締役
l
一般的な不動産取引とは違う、第二・第三の不動産業界、新しい視点の不動産業界の必要性を訴えている。
l
不動産業界の話をしていただきたい。
²
松本高広
l
有限会社松本社寺建設代表取締役。
l
文化財修復の仕事を手がけている。
Ø
これからの邸宅の保存のあり方について議論したい。
Ø
まず後藤先生に、文化財行政の現在についてお話をしていただきたい。
Ø
どうやって文化財行政を構造改革したらよいか?
²
旧三井守之助別荘の保存の話、第三者的に聞いていたが、涙モノで保存やるべきではなくなりつつあるのでは?
²
郵便局も構造改革。世の中、いろんなことが構造改革。
²
今回の保存問題、変えなきゃいけない時代に来たのでは?
²
今までのように、寄付金集めなど、スタートはそれでよいが・・・大きな課題。
l
後藤治
Ø
なぜ建物、邸宅、壊されるのか?
²
その原因をまず共有しないと。建物保存は医者の仕事と同じ。
Ø
最大の病原菌は容積率。
²
かなりの場所にマンションが建ってしまう。
²
土地所有者にとって見ると、売却収益が想定。
²
個人所有の場合
l
個人の土地だから、自分で住み続けることは可能だが、固定資産税、相続税かかる。意思があれば残して行く可能性はある。
²
企業の場合
l
厳しい。
l
株式会社、情報開示。
l
収益上げないと、資産を塩漬けに、という批判。
l
容積率使い切らないと、企業の経済活動にとっては、資産を遊ばせているという批判。
l
旧吉田茂邸、所有する会社が傾き始めている。
Ø
株主の圧力がますますかかる。マンションにしろ!
l
湘南新聞に、企業に「社会貢献」しろ、残せ!という意見が合ったが、大きな企業ほど、株主の利益を追求する必要がある。
l
そろばん勘定、会社の資産、使えないと残せない
²
指をくわえてみていればいいのか?
²
容積率・・・行政が実際に決めることができる。市民が変えていくこともできる。
²
宝物を守る文化財行政、都市計画や地域計画と結びついていなかった。
²
今は文化財行政、地域計画、まちづくりと結びついて、歴史的建造物を守って行かなければならない
l
菅孝能
Ø
湘南の邸宅、大磯の邸宅、不良資産というふうに、いろんな立場から思われている。
Ø
心の中では、宝物と思っているが、不良資産でもある。
Ø
個人の持ち物でも、同じようなこと
²
維持管理に手間、お金掛かる(敷地、建物大きい、年代がたっている)
²
相続税
²
固定資産税(企業も個人も)
Ø
京都市で町家保全に取り組んでいる人に聞いた話だが、所有者の対面の問題もある。人に貸すのをためらう。(あそこは困っていて、人に貸している・・・)
Ø
信用できる人が見つからない。
Ø
大切にしたいと思う建物でも、重荷になって行く
Ø
行政が買う?行政にとっても不良資産を背負い込むことになりうる
²
買収のためのお金。
²
行政が買うと、固定資産税収入がなくなる。税収なくなる。
²
管理費もお金かかる。
²
⇒公共的な財政を圧迫する。
Ø
それぞれが何らかの形で、不良資産という側面を抱えている。
Ø
湘南の邸宅や歴史的建造物を保存活用して行く上での都市計画的な問題としては、用途地域が過大に設定されていること。
²
日本全国、容積率等が高い。
²
将来の期待値ということで、容積率が設定されている。高め高めに設定されている。
²
高度成長、成長型の社会であれば、将来を見越して高めに設定することも意味があった。
²
成熟型、少子高齢化・・・高めの容積率を設定する時代ではない。
Ø
邸宅の資産は、用途地域でいうと住宅系の第一種低層住居専用地域に建っている。住宅系の用途で使い続けるなら問題ないが、住宅以外に使おうとすると、公的な制約を受けてしまう。用途転用をしながら保全活用することは難しい。
Ø
建築基準法の問題
²
古い建物は既存不適格。構造的強度、不燃化…条件が現在の法律と合っていない状態で存続している。
²
改修等大きく手を加えるとき、現在の法律に合うようにしないといけない。大きな投資をする必要。だったら取り壊した方が・・・という話になる。
l
内藤英治
Ø
論点を整理したい。
Ø
一つ目の課題
²
なぜ壊されるのか?
l
企業所有
Ø
株主訴訟される可能性ある。容積をもっと使って利益を上げろといわれる
Ø
手放す⇒マンション建ってしまう
l
個人
Ø
相続税
Ø
今もっている建物を壊した方が得だ、という計算が入る
²
大企業、個人、もつことが利益を生むという説得が必要。
²
どうすれば利益を上げられるのか?
l
後藤治
Ø
登録文化財⇒評価額の何割が減免される
Ø
JNTに寄贈⇒相続税が非課税
²
ただし、JNTに寄贈すると、住み続けることが難しい
Ø
英国のナショナルトラスト、住みながら財産を寄贈、相続税免除。
²
日本、寄贈したら住んでいてはいけない。文化財として寄贈。
Ø
企業所有の邸園に比べれば、道が開かれている。
Ø
容積を下げることは可能。
²
容積率の設定、固定資産税(地方税)、市町村が決める。住民がその気になれば、変えることは可能。
l
内藤英治
Ø
齊藤英典さんに、古いものを残すことが利益を生むということを説明して欲しい。
l
齊藤英典
Ø
前回の葉山のシンポジウムで、蔵と樹齢200年のケヤキを残す提案を紹介したが、契約できた。
²
所有者にとっては、売却面積が小さくて済んだ
²
不動産会社にとっても、必要なお金を捻出する範囲のお金だけで済む。
Ø
壊す⇒解体費用掛かる。デメリットがなければ残したい。それをつなぐ不動産の仕組みが必要。
l
内藤英治
Ø
容積率を下げればよいという意見。
Ø
制度面で企業を説得できる仕組みは?
l
菅孝能
Ø
難しい。
Ø
容積率そのものを下げる、ある場所だけを下げるわけには行かない。妥当なところにもって行く必要。
Ø
成功している例として、ダウンゾーニングの手法として、高度地区をかける。
²
小田原市、容積率をいじらず、全市に高度地区を駆けた
Ø
それぞれの自治体が決めることができる
² 第一種低層住居(高さ制限12m)・・・10mに制限!⇒高いマンションが建てられなくなる。
² 行政側としては、まずは使える手法
Ø
住民でもできる手法:「地区計画」
² 一定の広がりを持った住民の方が、ルールを自分たちで作る。
² 全体で合意すれば、行政に届け、都市計画審議会で議論⇒建築確認に連動し、有効に働く。
² 横浜の山手地区は第一種低層住居専用地域(10m)、一部(学校敷地)は一中高層(15m)。
² 学校が廃校。15mのマンションが建つことに。
² 住民が反対運動を開始。しかし法律的には問題ない。
² 低い建物が建つところに高い建物が建つのはおかしい、という話。
² ⇒地区計画で10mの高さ制限をかけた。
² 建物が取り壊され、安易にマンションが建つことに対し、ある程度の抑止力がある。
²
マンションができても、今までの住環境を激変させることはない。
Ø
それぞれの地域が考えて行かないといけない。
Ø
問題が起こってからでは遅い。法律がそうなっている。
Ø
それ以前に、自分たちの街を良く見て、予防線を張っていかないといけない。
l
内藤英治
Ø
企業・・・株主訴訟が怖い。高い容積率の活用を求められる。⇒容積率を下げる、という方法
²
行政がやる
l
容積率は全国一律の決め方。
²
大磯で高いものが嫌だという意識があれば、民間側でも地区計画という手法でできる。
Ø
協力してやらなければならない
Ø
地区計画もそんなに広い範囲じゃなく、一定の範囲ならできる。
Ø
NPOが注目されている。NPOによるそれらの防止策はあるのではないか?
l
後藤治
Ø
海外に、そういう制度がある。米国の事例。
Ø
資料集にも書いた。企業、個人が建物・庭の権利の一部をNPOに委譲。譲渡した部分を所得減税、譲渡所得税の現在対象となる。
Ø
NPOに対してどういう税制優遇をするか、日本でも議論されているいい時期。
Ø
NPOが地区計画等の策定、保存運動の運動体、保存後の管理に関わっていくことが大事。
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海外ではNPOが買い取って、また売り出す、まちづくり会社がやっている。
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そういうものを日本でも作っていく必要がある。
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自治体に土地公社、住宅公社がいる。
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日本、行政のスリム化の中で、市営住宅など必要ない、やめてしまう??
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やめるんじゃなくて、公社の役割が変わってきている。
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マンションと同じ市営住宅ではなく、まちに必要とされる、民間が使う施設の支援に使っては?
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内藤英治
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NPOに資産の一部を寄付、税金下げる工夫をしてあげるという方法。
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後藤治
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米国、地役権。
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日本は地上権。
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使役権とは?
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齊藤英典
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地上権とは物件。
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売り買いができる。
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借地権は合意がなければできない。
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話を戻したい。
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行政に買い取ってもらう、地区計画をつくる、一つの解決策ではある、
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行政頼み、地区計画作ってください。最初の選択肢ではない?
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自分でやる。
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両方に共通の問題は、事業採算性
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採算性のある有効な提案をしていく、そういう視点を持っていくべき。
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問題が起こってからでは遅い、その前に相談してもらえるような仕組みが必要
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適切なアドバイスができるように。
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建物を壊すことは、双方にとってストレスになる。
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内藤英治
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経済的に成立する提案を、所有者に提供するという方法。
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今までの経験で、どんなアドバイスをしたら良いか?
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齊藤英典
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配布資料の46ページ。鎌倉市で昨年、取引された不動産の動きを紹介している。
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大磯のレベルではない、旧三井守之助別荘ほどのパワーがない建物。B、Cクラスを何とかしたい。B、Cクラスの建物の集積の中に旧三井守之助別荘があることで、素晴らしい景観になる。
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利益の部分に注目ください。
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不動産取引の値段。不動産業者の利益の取り方がきつい。
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46ページの下の表。
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適正価格。これまでのようにブラックボックスではなく、地主・ユーザーにとって適正な価格で。
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仲介料3%でも、十分採算性のある提案ができる。
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不動産業者はこんなに取っている。皆さん知らないだけだから怒らない。
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内藤英治
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経済的に成立した事例は?
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齊藤英典
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去年葉山でのポスターセッションで提案したものが動いた。
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うまく利益を出せた。
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掲示価格、一坪20万
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売却は一坪45万
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ポスターセッションのときに詳しい説明をしたい。
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内藤英治
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そういうことができる人たちに、取引をお願いするのが良いのでは?
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税金の問題
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大磯にはたくさんの歴史的資産がある
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旧吉田茂邸、ドゥゼアン・・・
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たくさんの政財界人が、別邸を建てている
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こういう中で、今後税制を考えて行く
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税制ってなかなか変わらない
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たくさんの文化財をもったこの大磯が訴えていかなきゃいけないことではないか?
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どういうことをしたら良いか?アドバイスは?
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後藤治
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税制を変えるのは大変。まずは地道に地域計画、住民でできることをやっていくべき。
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地区計画とまでいかなくても、景観協定など住民レベルでもできることがある。
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全員で合意していれば、不動産屋は入りにくい
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地区計画等によりダウンゾーニングすると、固定資産税的には高く無くなる。固定資産税も下がる。税の掛かる価格は変わる。
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国税、文化財制度に期待。
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地方税は市町村・県税、地方自治体が決められる。
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旧吉田茂邸、町・県議会で通って、国に買取りを要求。
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しかし、国も不良資産を買い取れない時代。
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町・県議会のやっていることは時代錯誤では?
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内藤英治
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騒ぐことは大事だが。時代の流れに逆行だろうという意見。
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旧吉田茂邸の保全再生の検討の中で、ショック療法の一つとして何かできないか?
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会場から何かアイデアないか?
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菅孝能
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入り口にチラシがおいてあった。
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「神奈川文化村構想」という町民からの提案書。
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旧吉田茂邸で実践するのが良いかは分からないが・・・。
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国が買い取って保存。営利が期待できるところなら民間が営利事業で・・・。
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湘南ではその中間のものが多い、公共でも買い取れない。民間でも事業として成り立ちにくい。
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住宅で使い続けることが一番まっとうな方法では?
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事業採算性を考えて行くような相談システムの構築が必要。
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用途変換のとき、行政、民間、NPOが役割分担してやっていく方法があるのでは?
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それが文化村の提案の中にあるのではないか?これはどなたのご提案でしょうか?
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大磯住民の中村さん
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邸宅の保存は、町で大きな問題。
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どうやって守ろうか、どう買い取ろうか?買い取ってもしょうがないと考えている。
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公共ホール、建ってもしょうがない。箱物行政という批判。運用し活用し、住民の文化に役立たないと意味がない。
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継続的に持続可能に経営して行くこと。
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手に入ったものをいかに有効に活用して行く発想。民間の中から生まれてくれば。
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建物を保存するだけではなく、それをどう生かすか?
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コンサート、イベントをしかける⇒単発的になりがち。
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持続して、何かが行われているんだ、ということを発信していくことが必要。
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例えば、吉田邸でダンスカンパニーが活動している。先端的な芸術を行っている。10〜20年も活動し続ける。発信の元になった旧吉田茂邸として世界に知られていくのではないか?
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継続可能な形で邸宅を保護して行くことの提案。
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活用して行く仕組み、ノウハウを考えて行かなければいけない。
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内藤英治
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活用、考えて行かないと、残してもしょうがないという意見。
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駅前のドゥゼアン、売りに出されている。現在の時代に合った活用方法を提案して行かないといけない。
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アドバイスを。
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齊藤英典
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話を戻してよいですか?
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イタリアの話
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商売人に関して、二代目がいないのが、日本の商店街の悩み?ドゥゼアンもそう?
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イタリアでは、悩まない。自分が商売に成功したからといって、息子が同じ業態で成功するとは思わない。⇒ヘッドハンティングする、新しい観点の商売をする。
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私のお客の中に、近代和風に住みたい、という人が多い。
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不動産情報の検索サイトがある。不動産業者の情報は、大手でも中小でも一緒。全ての情報あるが、古い建物は検索に引っかからない。
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まずは見つけられる仕組みが必要。
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後藤治
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有効な活用がないと保存できないのは一つの真実だが、それにこだわらなくてもよいのでは?
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とりあえずの応急処置で保存し、使い手を捜す猶予期間を確保する。
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建物は雨が怖い。応急的な処置ができれば保存できる。
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使い手を捜すといっても、いったん買い取って、使い手を捜して見つからなければ宅地分譲してもよい、というおおらかな気持ちで。
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一旦ホールドできる期間があることは大きい。
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行政もその期間の支援ができればよい。
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財政負担が厳しいといっても、いずれ見返りがあるものなら、一時的に負担しても良いということになる。
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齊藤英典さんのいう相談システム、不動産、技術者、信頼できる体制が必要。
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内藤英治
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相談窓口をきちんと作ることが必要。
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菅孝能
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去年国土交通省の都市再生モデル調査で一年間調査。資料17ページ。
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京町家ネット、NPOとして動いている。14年の活動実績を持つ。
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関西人らしく、しっかりした現実的なやり方をしている。
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広島県竹原の伝統的建造物群保存地区
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空き家が増えた。
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転貸の仲介をNPOが始めた。そういう動きも出てきている。
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報告書の最後に述べたが、23ページに湘南でもそういう相談支援システムを構築して行く必要があると考えている。
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不動産関係などの人たちとチームを組んで取り組んで行く必要がある
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内藤英治
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経済的に成り立つように、活用する人と持っている人を結びつける必要。
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町民からの提案、アーティストにつかってもらうというものだった。
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齊藤さん、インターネットに不動産に関する情報がたくさんあるとのこと。
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自分の経験、米国で、歴史的建造物にマッサージ屋さん、ネイルケア、などお客さんがたくさんはいっている例もあった。
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松本高広さん、最初に応急処置としてやるべきこと、何かアドバイスは?
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松本高広
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昔は建物を守るため、出入りの大工がいた。
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管理する人、職人が出入りして、雨戸直したり屋根を直したり。
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「地域が棟梁を失った。」
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技術面、職人。今の話とはかけ離れているが、大切なのは、町に技術者がいなくなることは大きい。地域の魅力を維持して行くシステムが崩れて行く。
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この地域はこの方向から風が吹くから、こういう方向に屋根を作らないと・・・という職人が町にいた。そのシステムが崩れ、建物が朽ち果てて行く事例を見てきた。
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まちが職人を失う・・・何の職人でも同じ
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鎌倉の本堂をつくっていたとき、住職が湯豆腐を作ってきた。非常に美味しい。タクシーに乗って、大磯まで豆腐を買って、ハンペンも買ってきた。とても美味しい。そういう食文化の技術者が大磯にいる。
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文化レベルの高い人がたくさんいるんだろう。
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豆腐屋さんがなくなる⇒まちが寂れてゆくんだろう。
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美味しい豆腐、美味しいかまぼこをいつまでも食べられるようなまちにしていくには、職人を大事にしていくことが必要だろう。
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一本路地裏にも素晴らしい町並み、風情がある。残していくことを地道にやっていくこと、続けて行くことが、技術屋を残して行くことになるのだろう。
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内藤英治
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初期の保全費用、金掛かる。どうすればよいのか?という質問がFAXで来ている。
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松本高広
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お金のなくてもできることはたくさんある。
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後藤治
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雨漏りが一番悪影響を与える。シート掛ければよい。
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対面は気にせず、お金ができたら直す!と開き直っておけばよい。
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内藤英治
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持ってもらった上での相談に対する意見。
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では買い取ってもらいたい、という相談があった場合は?
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吉田茂邸、日本人が注目する物件。
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買い取らせるシステムも含め、市民が買い取れる手段、この場をきっかけにして取り組んで行く必要があるのではないか?
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新しい方法を提案していくべき。
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JNT、直ぐにお金を出せるシステムを作っていかないと。構造改革を。
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後藤治
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百年ローンとかやればよいのでは?ゆっくりやっていくことも一つの方法。
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内藤英治
Ø
JNTお金ない。
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口説き文句は、税金かかりません。
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限界もある。そろそろ時代遅れ?旧吉田茂邸をきっかけにやっていけないか?
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中村
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活用、守る仕組みの検討。まちに刺激になるチャンスが訪れた
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子どもの頃、ブリ漁があると、・・・カーニバルもあった。うきうきできた
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どう活性化するか?
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まち自身が保存を契機に、まちの活性化という視点に変えていく必要。
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まちの資産を利用して、知恵を生み出していく時期に来ている。
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内藤英治
Ø
残すことが目的ではなく、残すことで経済的に成り立つ取組みが必要。
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では市民は何をすれば良いのか?水沼叔子先生お願いします。
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水沼叔子
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内藤さんからテクニックという言葉が出た。
Ø
市民が何をすればよいのか?賢くならなきゃいけない。仕組み・制度を知り、それらに使われず、使えるような人間になること。
Ø
賢い市民が結託することで、活性化する。資源を保存して行くことができる
Ø
湘南の他の集まりで感じること。湘南は人材が豊富。相談役になってくれる人が狭い地域の中にもいるのが湘南の魅力。
Ø
人材というバンク、湘南を魅力付けている一つ。
Ø
賢い市民はそのような環境で育つ。
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内藤英治
Ø
ファンドについて聞きたい、都市計画法に関する質問もあったが、機会があればお答えしたい。
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四人の回答者に拍手をお願いします。
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池田(JNT)
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最後に「大磯遺産」保存会の会長よりご挨拶をお願いします。
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井上さん(「大磯遺産」保存会会長)
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今日は十年ぶりの大雪の中集まっていただきありがとうございました。
Ø
この立派な会場を使えたのは非常にありがたい。
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これをもってシンポジウムを終わりたいが、懇親会を滄浪閣で行いたいので、そちらにもご参加いただきたい。
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大磯の方にもっと参加していただきたかったが、残念。
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池田(JNT)
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以上で第四回湘南邸宅文化ネットワーク協議会シンポジウムin大磯を終了いたします。
文責:關佑也
且R手総合計画研究所